占いお宿II 新たな契りを結ぶ時
「ルーカス……最近のあなたは、弾けすぎじゃないかしら?私とルーカスは友人よ」

うんうんと頷くアルフレッドに向けても一言。

「アルフレッドもね」

「いや、ライラは俺の番だ。百歩譲って、アルフレッドがライラの友人であることは認めてやろう」

ずいぶん俺様な発言だ。
出会って以来、ルーカスは私を番だって言い続けてるけど、ここまで執着されると、どうやら本気らしいってことは理解した。でも、それを受け入れるかどうかは別問題だ。

「ルーカス、私、自分のことは占わないって決めてるの。水晶が勝手に見せてくるのはともかく、自発的にやるつもりはないわ。未来にはいろんな可能性があるの。それを、特に理由もなく先取りして知りたいとは、今のところ思わない。あなたはどうかしら?」

まだ訪れてもいない未来に苦しめられたり、ぬか喜びしたり、そんなふうに踊らされるのは嫌。占い師なんて仕事をしていて矛盾してるけど、そこは譲れない。

「それもそうか。この先、俺の横にライラがいるのは、決定事項なんだから。疑ったわけじゃないが、いつになったら四六時中ライラといられるのか、もどかしくてな」

「……今だって、ほぼ毎日ここにいるじゃない……」

「足りない!!しかも、まだ番ってない!!」

ルーカスの頭の中は、番でいっぱいのようだ。それには乗り越えなきゃならない大きな壁があることを、決して忘れてはいけない。私には、カエルに口付けする勇気はない。


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