占いお宿II 新たな契りを結ぶ時
「私は、これが今生の別だとは思っていません。いつかまた、王妃様にもマリアーナ様にもお会いできると信じております」
「ヨエル……私も、再び共に笑い合える日が来ると信じております。あなたの未来が幸多きことを、心から願っております」
「ありがとうございます。私にも……マリアーナ様にご挨拶をさせていただけますか?」
「もちろんよ」
躊躇いがちに言うヨエルに、王妃はやっと僅かばかりな笑みを向けた。儚げで切なげな笑みには、思わずぎゅっと胸が締め付けられる。
「母上、マリアーナはずいぶん大きくなりましたね」
いつの間にかマリアーナは目を覚ましていたようで、王子はソファに座ったままマリアーナを腕に抱いていた。そこへ、王妃とヨエルが近付いていく。
「そうね。お乳をよく飲むのよ。あっという間に大きくなってしまうわね。さあ、ヨエルにもマリアーナを見せてあげて」
「うん」
このヨエルという人物は、よほど王妃の信頼を得ているのだろう。王子の護衛とはいえ、プライベートな空間にこうも簡単に足を踏み入れさせるなんてあり得ることなのだろうか?しかも、産まれて間もないマリアーナに、なんの躊躇いもなく近付けさせてるし。
「ヨエル、ほら。僕の妹のマリアーナだよ。可愛いでしょ?」
「ええ。とてもお可愛いらしいですね」
「もう、ヨエル!!もっとこっちに来てよ。ほら、抱っこしてあげて」
塞がった両手の代わりに、視線と首を振ることでヨエルを呼び寄せた王子は、マリアーナを僅かに彼の方に向けた。戸惑うヨエルは、乳母から王妃へと視線を走らせる。
「ヨエル……私も、再び共に笑い合える日が来ると信じております。あなたの未来が幸多きことを、心から願っております」
「ありがとうございます。私にも……マリアーナ様にご挨拶をさせていただけますか?」
「もちろんよ」
躊躇いがちに言うヨエルに、王妃はやっと僅かばかりな笑みを向けた。儚げで切なげな笑みには、思わずぎゅっと胸が締め付けられる。
「母上、マリアーナはずいぶん大きくなりましたね」
いつの間にかマリアーナは目を覚ましていたようで、王子はソファに座ったままマリアーナを腕に抱いていた。そこへ、王妃とヨエルが近付いていく。
「そうね。お乳をよく飲むのよ。あっという間に大きくなってしまうわね。さあ、ヨエルにもマリアーナを見せてあげて」
「うん」
このヨエルという人物は、よほど王妃の信頼を得ているのだろう。王子の護衛とはいえ、プライベートな空間にこうも簡単に足を踏み入れさせるなんてあり得ることなのだろうか?しかも、産まれて間もないマリアーナに、なんの躊躇いもなく近付けさせてるし。
「ヨエル、ほら。僕の妹のマリアーナだよ。可愛いでしょ?」
「ええ。とてもお可愛いらしいですね」
「もう、ヨエル!!もっとこっちに来てよ。ほら、抱っこしてあげて」
塞がった両手の代わりに、視線と首を振ることでヨエルを呼び寄せた王子は、マリアーナを僅かに彼の方に向けた。戸惑うヨエルは、乳母から王妃へと視線を走らせる。