大好きなキミを、守りたいから。
「ひっ…秘密ってなんのこと?」


慌てて私と桧山はなんのことか分からないと言ったような演技をする


けど、その男には何を言ってもダメだったようで…


「嘘つくなよ。お前があの人気女優の…神宮萌香って言うことになぁ______」






嘘っ……





私はその言葉で呆然と突っ立ってると



「見間違えじゃね?」



ふっ…と鼻で鳴らして笑う、いつもとは違う桧山の姿があった



「いや、俺に間違いはねぇ…だって、神宮萌香のマネージャーは…俺の母親だったんだからなぁ!!!!」



信じられない事実に、今度こそ私と桧山は固まる


驚くと声が出ないってこういうことを言うんだろうか…


私のマネージャーさんは前、事故で亡くなったと言うお知らせを受け、今のマネージャーさんは変わってる


その、事故で亡くなったマネージャーさんが…この人のお母さんだったということなのだろうか…


「…母親は…お前、神宮萌香のお迎えに行ってる時、交通事故で亡くなったと聞いた。だから亡くなった原因はお前だと……前1度会った時にどこかで見覚えのある顔だったから調べたら、叶美と呼ばれてた人物は…神宮萌香の人物にピッタリ当てはまった…だから、次会ったら復習することにしたんだ」



男の人はそう言うと、私に手を引き、抱き寄せる


「叶美!!!!」



「ふっ…叶美ってもう呼ばなくてもいいんじゃねーの……俺、もう正体知ってるんだからさぁ…」



男の人が話す声はさっきからどんどん低くなっていき、目には光のない、闇に染まって行った


あの日、私はマネージャーさんの車を待っていたから助けられなかった


私が1人で行けるって言ってたら、この人のお母さんは亡くならずにすんだかもしれない


「なんで…なんでお前なんか迎えに行くんだよ…!!お前、1人で歩けるだろ!?歩いて行ってたら死なずにすんだんだのに!」


そんなことを言いながら男の人は私を床にたおし、上乗りになる



「おい…何すんだ」


次第に桧山の声も低くなり、私に近づいていく


「何って、見りゃ〜分かんだろ………まあ、これが俺の復習ってことで」


男の人がそういった途端、今まではいなかった他の大男の人たちが一斉に出てきて、一瞬にして桧山の周りを囲った


「ちょっ…辞めろ!離せっ!!!」



「連れて行け」



その男がそう言うと、桧山は叫びながら抵抗するも、あっという間に連れて行かされた




「さぁ……ようやく2人っきりになったな」




低い、怖い男の人の声に一瞬にして背筋がゾッとした
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