コインの約束

2階に上がり、柵にもたれ掛かってバスケの練習を観た。あれ?和真がいない?どこ行った?

和真を探してキョロキョロしていると、急に頬に冷たいものが触った。

「キャッ、冷たっ」

振り向くと、冷えたスポーツドリンクを手に持つ和真が立っていて。

「外ほどじゃないけど体育館も暑いだろ。熱中症にならないように、これ飲んどいて。じゃ、また後で!」

「ありがとう」

和真は私にスポーツドリンクを渡すと、バスケのコートに戻って行った。

その和真の行動に今度は女子バスケ部が騒ぎ出す。

その中の一人が、凄く冷たい目で私を睨んでいることなんて、気付かなかった。

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