丸重城の人々～後編～

柚希｢みんな…｣
将大｢柚希ちゃん、その教師と話がしたい｣
柚希｢え？｣
将大｢大丈夫。約束したから、暴力はふるわない。
話をするだけ｣
柚希｢はい…わかりました｣
将大の真剣な眼差しを受ける、柚希。

将大｢もう二度と…君の前には現れないようにさせるからね。ただ、この俺にも限度というものがある。
限度を越えたら、容赦しない。
それでいい？｣

柚希は、初めて……小岩井 将大という人間の“恐ろしさ”を知った気がした。
やはり━━━━この人は、最大組織・竜王組の若頭なのだ。

大翔｢将大！俺も行く！｣
中也｢俺も、連れて行け！｣
将大｢あぁ、でも話をするだけ。約束できるか？｣
大中兄弟｢わかった｣

大翔と中也は、将大に連れられて出かけていった。

宗一郎｢柚ちゃん、こっちで広ちゃんと三人でコーヒーでも飲んで待ってようよ！｣
柚希｢はい｣
広子｢大丈夫よ。約束は守る子達よ！｣
柚希｢はい。
あの……｣
宗一郎・広子｢ん？｣
柚希｢私は、男性を惑わしてるんでしょうか？
中也くんや玄さんを誘惑してるように見えますか？
それに…響ちゃんには言わないでほしいんですが……
将大さんに、無性に君を抱きたいって思う時があると言われました。私は存在は、色んな人を傷つけてるんでしょうか……｣
柚希は膝の上で服を握りしめ、俯いて呟いた。

宗一郎｢誘惑してるようには見えない。
でも、誘惑されてるように感じるよ｣
柚希｢え？それは、どうゆう……｣

宗一郎｢柚ちゃんは、可愛い女性だからね。
僕達男性から見ると、男心をくすぐる女性像を形にしたみたいな女性なんだ。
わかるかな？
僕の言ってる意味｣