丸重城の人々~後編~
将大「話はシンプルだ。
今現在から、花井 柚希の前に現れるな。
彼女のバックには、この竜王組がいる。
意味……わかるよな?」

鈴田「僕は謝りたかっただけだ!」

将大「あ?あれのどこが、謝ってたんだ?」
鈴田「え?」
将大「柚希ちゃん、震えてたぞ!
あれは謝るどころか、傷つけたとしか思えない」
鈴田「それは…」
将大「それに!
本気で謝りたいなら、一対一で会うのは避けるはずだ!第三者を間に入れるのが普通だろ?
しかもお前がやったことは、最低のことじゃねぇか!?俺も最低の人間だが、俺の組にはお前のような弱いものを傷つける奴はいない」

大翔「もういいだろ?
おっさん、今回は目を瞑る。
次はない!」
中也「もし今後、柚希の前に現れたら……問答無用で地獄行きだ!しかも“全員”からの仕打ちが待っていることを忘れるな!」
鈴田「全員?」
大翔「ここにいる三人プラス、響子、玄、毒蜘蛛とシスルの仲間、お前の知っている柚の不良軍団、竜王組、極めつけは宗おじと広ばぁだ」
中也「柚希には、沢山の仲間がいる」

将大「忘れるな!いつでも、どこにいても、お前は監視されていることを………」

鈴田「わかった」
将大「わかったら、下がれ」

鈴田がドアに向かい、一度振り向いた。
鈴田「君は花井の何?」
将大「兄貴みたいなもん」
中也「俺は義理の弟」

大翔「俺は、旦那」

鈴田「君が、花井の旦那……」
大翔「あぁ」
鈴田「花井に……いや、柚希さんに謝っておいてください。申し訳なかったと……」

大翔「わかった」
大翔の返事に、今度こそ去っていった鈴田だった。
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