丸重城の人々~後編~
柚希「そんな……」
英里「確かに皆さん、柚希の前では絶対見せないって言ってました」

リキ「だからと言って、玄さん達も恐ろしい方々です。
俺は正直、関わりたくない軍団です……」
英里「毒蜘蛛とシスルは最強ですもんね…!」
柚希「英里さんは、知ってるの?毒蜘蛛とシスル」
英里「うん、話だけだけど……
毒蜘蛛とシスルは、とんでもないチームだって噂を聞いたことあるわよ。
することが、残忍だって……」
柚希「そう……
でもね、みんなのこと嫌いにならないで?
みんな、ただ大切な人を守りたいだけなの……
いつも、仲間を守る為に必死なだけなの!
私も、響ちゃんみたいに戦えたら良かったんだけどできなかった……
私ね…義理の父親に虐待されてて、ダメなの……
人を殴るの。あの頃のお父さんを思い出して……
その事はみんな知ってくれてるから、私の前ではできる限り暴力はふるわないでいてくれてるの」
英里「嫌いになんてならないよ。
私も、けっして褒められた学生時代じゃないから」
柚希「え?」
英里「私の刺青……学生の頃、付き合っていた人とお揃いで彫ったの。彼も酷い人でした。
でも、私は好きだった。どんなに残酷な人でも……
だから私も、彼と一緒に犯罪を犯したことあるの」
柚希「私もシスルのみんなと一緒に、補導されてたよ」
英里「柚希が!?」
柚希「正確には、いつも何もしないで見てるだけなんだけど……元々から私、小心者だから……」

英里「仲間だね」
柚希「フフ…褒められたもんじゃないけどね(笑)」
笑い合う二人だった。
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