丸重城の人々~後編~
そして今度は、リンの元へ行く。
柚希「リンさん、お誕生日おめでとうございます!」
リンはもう何度もランチをしている為、安定している。

リン「柚希ちゃん、ありがとう!
…………うわぁ!可愛い~!!素敵!!」
柚希「ほんとですか?よかったぁ!」
中にはブローチが入っていて、リンはブローチが好きだと響子に聞いていた柚希。
小さなダイヤが散りばめられた花のブローチをプレゼントしたのだ。
リン「柚希ちゃん、センスいい~!
有りがたく使わせてもらうね!」
柚希「はい!」

アスカ「ほんと、綺麗~!」
響子「柚希よかったね!喜んでもらえて!」
柚希「うん!」
リン「お二人もこの前は、ありがとうございます!」

柚希「え?大翔と中也くん、響ちゃんのクラブに行ったの?」
心なしか、悲しそうな柚希の瞳。
大中兄弟「え……」
リン「え?言っちゃいけませんでした?」
大翔「柚!宗おじが行きたいって聞かなくて、しかたなく行ったんだよ!」
中也「でも、すぐ帰ったよ!」

柚希「別に、ダメなんて言わないよ。
響ちゃんのクラブだし。
二人だって、たまには行きたいよね……!」
大翔「柚!もう二度と行かないからね!」

柚希「だから、いいって言ってるでしょ!?」

思いの外、大きな声が出てしまった柚希。
声が響いた。
大翔「柚……」
中也・響子「柚希?」
玄「え?どうしたの?姫」
リン「柚希…ちゃん…?」
アスカ「大丈夫?」
尚生「柚希ちゃん?」
信貴「どうしたの?」
篤子「柚希?急にどうした?あっちまで聞こえたよ!」

みんなに注目される、柚希。
柚希「あ……見ないで……はぁ、はぁ……」
柚希にとって、注目を浴びることはこれ程ない苦痛。
丸重城のみんなならまだいいが、ここには知らない人もいる。

途端に震えだし、冷や汗が出てくる柚希。
胸を押さえ、息切れまでしだしたのだ。
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