丸重城の人々~後編~
大翔達が会計を済ませ外に出ると、男達が待ち伏せていた。

柚希「え……なんで…いるの?」
少し落ち着き始めていた柚希が、また更に大翔にしがみついた。

男1「お前!面貸せや!」
流風を指差し言い放った。
流風「は?やだよ!喧嘩しない約束だから!」
泰成「もういいだろ?お互いの為に」

男1「は?何?怖いの?」
流風「はぁぁ?
なんか、もう…疲れた。
そうだよ、怖い怖い!だから、やめてね!」

無視して行こうとする、大翔達。
柚希も大翔にしがみついて、早足でついていく。

男1「は?無視すんなよ!」
ガッ━━━━━━!!!

柚希「え━━━━キャッ!!!」
ドサッ…!!!
柚希「……ったい…」
咄嗟に掴んだのが柚希の手で、柚希はその場に尻もちをついた。

大翔「柚!!?」
中也「柚希!?」
玄・泰成・流風「姫!?」

大翔「柚!大丈夫!?」
中也・玄・泰成・流風「柚希(姫)!!」
柚希「う、うん…大丈━━━━━
はっ…!!!」
柚希はみんなを見上げながら、なるべく安心させるように言おうとするが、もう既に五人の雰囲気は黒く染まっていた。

大翔「俺の柚に……」
中也「触ったな……」
玄「あーあ」
流風「せっかく、我慢してたのに……」
泰成「台無しだ…」

男1に向き直る、大翔達。

男1「え……お前等…なんか、さっきと雰囲気が……」

中也「兄貴、後は俺達に任せて柚希と先に帰って!」
大翔「あぁ!」
柚希「え?どうして?
みんな、やめて!お願い!みんなで帰ろ?」

大翔「柚、行くぞ!」
柚希「やだ!中也くん達が……」
大翔「柚!ダメだ!!」

流風「俺が一人で相手するから、お前の言う通り面…貸すよ!」
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