丸重城の人々~後編~
徳力「可愛い…おいで?」
ベビードール姿の柚希。
ベットに腰かけた徳力が、手招きする。

徳力「大丈夫。俺のことを大翔だと思えばいい。
大翔に抱かれてるって」
柚希はかなり震えていた。
でも自分が拒めば、丸重城のみんなが傷つくことになる。
それだけは、絶対に嫌だった。
柚希にとって、丸重城のみんなは家族。
ただ“守りたい”その一心だった。

手を掴まれ、引き寄せられた。
徳力「震えてる…可愛い……それに綺麗だ……大翔が独り占めなんて、もったいない……」
そしてそのまま、ベッドに押し倒された。

徳力「ほら、集中して?
俺は君の大ー好きな、大翔」
柚希「貴方は……」
徳力「ん?」

柚希「━━━━━━━━」
徳力に両手を押さえられ、身体や声が震えているのに柚希はしっかり徳力に思いを伝えた。

徳力「………シラケた。守口!!」
守口「はい」
徳力「お前が相手してやれ」
守口「は?」
徳力「どうせ、もうすぐ来るだろ?奴等」


その頃の大翔達。
シンから見せられたメールで、今徳力の事務所前にいる。
【小岩井、毒蜘蛛五人を連れて俺の事務所に来い!
お前等の大切な、お姫様を預かっている。
いいか!六人だけで、来いよ!】

大翔「柚…すぐ行くからな!」

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徳力「いらっしゃい」
将大「望み通り、毒蜘蛛を連れてきた。
柚希ちゃんを返せ!!」
徳力「今お楽しみ中だから、無理だな」
将大「は?まさか、手ぇ出してねぇよね?」
徳力「フフ…この俺が黙ってここで待ってたと思う?」

中也「まさか…柚希…を…?」
玄「お前、死にたいの?」
泰成「てめぇ…」
流風「地獄に落としてやる」
徳力「あ、そこから動いたら、君達の愛しい天使に会えなくなるよ?」

大翔「返せよ、俺の柚…」
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