丸重城の人々~後編~
丸重城に戻ってきた大翔達。

将大と守口が対当していた。
柚希「お願い、将大さん!
守口さんを竜王組に入れてあげてください!
さっき話したように、とっても穏やかで優しい人なの。将大さんによく似てるんですよ!」

将大「……って柚希ちゃんは言ってるけど、お前はどうなの?」
守口「徳力組長は、俺を拾ってくれた命の恩人です。
だから俺は組長の為に何でもすることが、恩返しだと必死に尽くしてきました。
拾ってくれた頃は、もっと優しい人だったんですよ。
小さな組だったから、みんなが家族みたいで温かかった。
でも組が大きくなっていくにつれて、人が変わったように強さを求めるようになっていった。
それで、毒蜘蛛を欲するまでに……
俺はそんなの望んでいなかった。
でも聞く耳を持ってくれなくて、言われるがまま柚希さんを騙して拐いました。
柚希さんが俺に言ってくれた言葉。
それが耳から離れない。
“貴方は穏やかで、優しい”って言ってくれた。
それは俺が、組長に思っていたことです。
俺はそう言ってくれた柚希さんの為に今後は生きていきたい。
だから小岩井さんが受け入れてくれるなら、俺に竜王組でチャンスをください!」

柚希「将大さん、お願いします!」
柚希と守口は二人、将大に頭を下げた。

将大「明日、本家に行く。
徳力のことを組長に報告しなきゃいけねぇから。
一緒に来い!
組長に紹介する」
守口「あ……ありがとうございます!」
柚希「将大さん、ありがとうございます!
守口さん、よかったですね!」
守口「はい!ありがとうございます!柚希さん!」

そして、夜が明けたのだった。
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