丸重城の人々~後編~
大翔「は?」
響子「だから!どんな時?」
大翔「ない」
響子「はぁ?」
大翔「だから!柚以外の女を抱き締めるなんてあり得ない。頭を撫でるってのも。
てか、それ以前に柚以外の人間に触りたくもねぇ!」

響子「はぁー、聞く相手を間違えた…」
大翔「慰める時とかじゃね?」
響子「は?」
大翔「将大なら、そうしそうじゃね?」
響子「なんで、将大が出てくんの?」
大翔「は?お前がそんなこと聞くっつうことは、将大が女を抱き締めて頭を撫でてたってことだろ?」
響子「………」
大翔「違うの?」
響子「そうだけど……」
大翔「将大はもう二度と、響子を裏切ったりしない。
だから女を抱き締めて頭を撫でたのは、ちゃんと意味があるはずだ!」
響子「それ、玄も言ってた。
もう裏切らないって!」
大翔「だろ?だから、信じろ!」

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その頃の将大。
柚希が起こしに来ていた。
柚希「将大さん、起きて~!朝ですよぉ!」
将大「んぁ…響子……?」
軽く肩を揺する柚希の手を掴む、将大。
そのままグッと引き寄せ、組み敷いた。
柚希「え━━━━キャッ!!!」

将大「響子……」
まだ寝ぼけている将大は、柚希の頬を優しくなぞるようにさすった。
柚希「あの////!ごめんなさい!柚希です!」
将大「え………
━━━━━━━!!!!柚希ちゃん!!?
ご、ごめん!!」
バッと柚希から離れる将大。

柚希「いえ////私こそ、ごめんなさい……
響ちゃんに、起こして来てって頼まれて……」
将大「あ、いや…」
柚希「あ、あの。
喧嘩の原因わかりませんけど、早く仲直りしてくださいね!お互い、とっても愛し合ってるんだから!」

そう言って微笑み、ベットから下りた柚希だった。
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