丸重城の人々~後編~
みんなに諭され、響子と将大は部屋で話し合っていた。

将大「何をそんなに怒ってるか言ってくれ」
響子「昨日仕事帰りに、将大を見かけたの」
将大「うん」
響子「女性を抱き締めて、頭を撫でてたでしょ?」
将大「え?あ、あぁ。お嬢のことか」
響子「どうして、あんなことしたの?」

将大「あの女は、有馬組のお嬢でな。
有馬とは結構仲良くしてて、お嬢のことも小さい時から知ってんだ。
俺の事を、兄貴って慕ってくれてて……
…………昨日は葬式だったんだ。お嬢の恋人の…」
響子「え……」
将大「かなり落ち込んでて……
…って、当たり前だよな?恋人が亡くなったんだから。それで慰めてたんだ。
病気でながくないって言われてたから、覚悟はしてたみたいだが……まぁ、そんな簡単に受け入れられるわけない!」
響子「そう…だったんだ……」
将大「あぁ。
…………って、まさか!俺が浮気でもしてると思ったのかよ!?」
響子「だって……」
将大「はぁぁ?あり得ねぇよ!
言ったろ?もう二度と、裏切らないって!
それに俺が愛してるのは、響子だけだ!」
響子「うん」
将大「はぁー、そんなことで俺は昨日拒否られたのかよ!?お陰で寝不足だ!!責任とれよ!!」
響子「は?」
将大「響子、今から寝るんだろ?」
響子「うん」
将大「俺も寝る!抱き締めさせろよ!
お前を抱き締めて寝る!
俺は、お前に触れてないといい眠りにつけないんだから!」

そして二人は、抱き締め合って眠りについた。

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