丸重城の人々~後編~
柚希「やっぱ、そうだよね……」
それからゆっくり歩いて帰る、二人。

中也「ん?」
柚希「男の人って、やっぱ恋人とか奥さんには甘えられたいって思ってんのかな?」
中也「うーん、人によるんじゃない?
俺は、甘えたいし甘えられたい!ワガママだけど」

柚希「年上の奥さんでも?」
中也「そうだよ。年は関係ないよ!兄貴に甘えないの?」
柚希「甘えてるよ?たぶん……」
中也「たぶん?」

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大翔「ただいま~柚~」
柚希「おかえり」
玄関先で柚希が大翔に抱きつく。

大翔「ん?どうした?」
柚希「寂しかったの。大翔がいないから」
大翔「そっか!じゃあ…まずいっぱいギュってするね!」
部屋に移動して、大翔に力強く抱き締められた柚希。
柚希も大翔にしがみついた。
大翔「フフ…柚が甘えてる!可愛い~」
頭を撫でる大翔。
なぜか柚希は、目が熱くなっていた。

柚希「大翔、もっとギュってして?」
大翔「うん…でも、これ以上は骨折りそう……」
柚希「折ってもいいよ?」
大翔「は?どうした?」
柚希「大翔…私のこと好き?」
大翔「もちろん!」
柚希「ちゃんと言って!」
大翔「大好きだよ!」

柚希「うん、私はもう…愛してるなんて感情、越えてる。苦しいよ、大翔。
心臓が潰れそう…」
大翔「うん…柚はどうしてほしい?
なんでもしてあげるよ!」
柚希「離れたくない。ずっとくっついてたい」
大翔「うん、じゃあ…離れない!」

そこへ柚希のスマホが震えて鳴る。
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