丸重城の人々~後編~
大中兄弟
大翔「こら!柚、どこ行くの?」
柚希「トイレだよ」
大翔「ついてく」
柚希「え!?トイレだよ!嫌!」
大翔「………真っ直ぐ帰ってこいよ!」
柚希「うん」

旅行から帰ってきて、ずっと大翔は柚希から頑なに離れない。
柚希にべったりで、柚希は広子の手伝いが思うようにできない。

中也「兄貴!散々謝っただろ?
柚希をもう少し、自由にしてやれよ!」
大翔「わかってるよ!
でも元はといえば、柚が部屋を間違えたのが悪いんだし!」
広子「ほんと、あんた達兄弟仲いいわよね~」
大翔「あ?ババァなんだよ!」

広子「ババァ!?叔母様と呼びなさい!
大翔、今日ピーマンパーティーでもする?」
大翔「あ、いや…それだけは、やめてくれ!
広子叔母様!」
中也「でもさ、俺達そんな仲よくないよ!普通だろ?」
広子「何言ってんの!中也はいつも大翔の背中を追いかけてたでしょ?暴走族だって、大翔がいるから入ったんだし!」
中也「はぁぁ!?」
大翔「なんだよ(笑)中也くんは、俺が大~好きなの(笑)?
お兄ちゃんが、抱っこしてあげようか(笑)?」
中也「キモい!!
てか兄貴、今日も仕事行かねぇのかよ!?」
大翔「ここんとこ、忙しかったからな!
もうしばらく、休む!柚と離れたくない!」
中也「社長がそんな休んでいいのかよ!」
大翔「いいの!」

柚希「二人共、どうしたの?」
柚希がトイレから帰ってくる。
大翔「ううん。柚おいで?」
大翔が膝の上をポンポンと叩いた。
柚希「大翔、広子さんのお手伝いしたいから、ちょっと待ってて!」
大翔「は?嫌だよ!手伝う必要ないだろ?」
柚希「でも……」

大翔「ダメ!俺の休み中は、言うこと聞くって約束だろ?」
柚希「うん…」
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