丸重城の人々~後編~
柚希「え?」
中也「もしかして、その買い物…俺に気をつかって?
だから今兄貴と行こうとしてるの?」
柚希「え?あ…うん。
買い物は中也くんと行かない方がいいかなって。
どうしても服を握ったりしないと行けないから、中也くんを傷つけることになるでしょ?」

中也「そうゆうのはやめてよ!
そうやって、気をつかって避けられる方が傷つく」

柚希「じゃあ…どうすればいいの!?
やっぱ、丸重城を出ていった方がいいの?」
中也「そうじゃねぇよ!?
いつも通りでいいんだよ!
頼むから、そんな風に気をつかうなよ!?
俺は大丈夫だから!
いつも通り、俺を頼ってよ!兄貴の次に俺を一番に!」

柚希「わかった!
じゃあ、三人で行こ?お買い物!」
柚希は微笑んで、言ったのだった。

中也「うん!」
大翔「おう!
………って、なんで!?
二人で行こうよぉ!柚~!」
柚希「たまにはいいじゃん!行こ?
私、用意してくるね!」

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柚希「フフ…楽しいね!三人でのお買い物!」
大翔「俺は二人がよかった……」
中也「楽しいな!」

大翔と手を繋ぎ、反対側には中也がいる。
柚希はそれだけで、心地よい幸せを感じていた。

柚希「あ……人、多くなってきたね…」
街に近づくにつれて、人が多くなる。
思わず、大翔と握っていた手を強く握る。

大翔「柚?大丈夫かよ!?」
中也「帰る?」
柚希「ううん…大丈━━━━/////」
二人に顔を覗き込まれる、柚希。
思わず、顔が赤くなる。
大中兄弟「ん?」

柚希「二人って…やっぱ、兄弟だね」
大中兄弟「は?」

柚希「二人とも、カッコいい…////」
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