丸重城の人々~後編~
柚希「宗一郎さん、素敵ですよ!」
宗一郎「だから、宗ちゃんって呼んで?
はい!呼んで?」
柚希「そ、宗…ちゃん…」

宗一郎「可愛い~!!」
広子「確かに可愛いわね!」
響子「可愛い~」
英里「そうですね」

大翔「か、可愛い…」
中也「柚希が言うと可愛いし!」
玄「俺のことも、玄ちゃんって言って!」
将大「じゃあ…俺は、将ちゃんって呼んで?」

柚希「もう!二人まで…」

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宗一郎「ねぇ、みんなで花火しようよぉ!」
夕食後、ゆっくりしている一行に突然宗一郎が提案する。

男達「はぁぁ?」

柚希「いいですね!」
響子「たまにはいいんじゃない?」
英里「お付き合いします」
大ブーイングの男性達と、乗り気の女性達。

広子「フフ…宗ちゃんって、相変わらずお茶目ね!」
宗一郎「昔はよく大翔や中也と四人でしたんだよ!」
柚希「そうなの?」
大翔「でもそれ、チビの時じゃん!」
宗一郎「そうなの。大翔が中学生になった途端、暴走族のチームに入っちゃって相手をしてくれなくなったんだよ………パパは寂しくてね……
中也も、大翔の背中ばかり追っかけて……
宗ちゃん、寂しかったんだよ……」

柚希「宗ちゃん……
大翔、みんなも一緒に花火しよ?」

宗一郎「柚ちゃんもこう言ってるし、しよっ?
てゆーか、しないなんて選択肢ないよね?
柚ちゃん“が!”しようって言ってるんだから!」
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