丸重城の人々~後編~
広子「大翔!忙しいんだから、どいて!アンタ、デカいんだし……!
柚希ちゃん、みんなを起こしてきて!」
柚希「はい!」

柚希「大翔、みんなを起こしに行こ?」
大翔「ん。じゃあ、柚は響子達と英里を起こしてこいよ!俺は中也達を起こしに行くから!」
柚希「了解!」

三階、英里の部屋。
柚希「英里さーん!おはよう~!」
英里「はぁーい!」
ノックして部屋に入る。
柚希「朝だよ!
……って起きてるね!お仕事中?」
英里「うん…少しだけ…」
柚希「英里さんは凄いなぁ!」
英里「今は仕事が楽しくって!!
それも、柚希が毎日労ってくれるからだよ!ありがとう!」
柚希「そんな…////ありがとう!」

同じく三階、響子と将大の部屋。
柚希「響ちゃん、将大さん!おはよ~」
ノックをして中に入ると、まだ二人は眠っていた。
しっかり抱き締め合って眠っている二人に、思わず微笑む柚希。

柚希「………幸せそう…!良かった…」
カーテンを開け、再度二人に声をかける。
柚希「響ちゃん、将大さん!
起きて~!!」
響子「んんっ…あ、柚希…おはよ……」
柚希「朝だよ!」
響子「了解~
将大、起きて!!」
将大「ん…響子……」
寝ぼけていて、更に響子にしがみつく将大。
シーツから覗く将大の背中の竜が、柚希を睨みつけている。

柚希「………」
響子「柚希?」
柚希は思わず身震いし、俯いた。
柚希「響ちゃん、将大さんを起こしてリビングに来てね」
俯いたまま、呟くように言って部屋を出たのだった。

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