丸重城の人々~後編~
七美の口からの衝撃の事実に、誰もが怒りで震えていた。
みんな、必死に拳を握りしめ耐えていた。

七美「鈴田はあれから、私が依願退職させたんだが、ことある毎に花井に会わせろと言ってきてな。
謝りたいとは言っていたが、信用できるわけない。
まさか、今回の同窓会を嗅ぎ付けるなんて……」
柚希「ごめんね、大翔。
私……穢れてるの。ずっと黙っててごめんなさい……」
俊哉「じゃあ、柚希が俺を拒むようになったのって……」
七美「奴が原因だ!」
響子「俊が浮気する前、確かに柚希、様子がおかしかった。てっきり、俊がなんかしたのかと思ってたんだけど……」

柚希「ごめんなさい。怖くて…
かと言って、言えなかった。
言ったら、みんな………」
俊哉「問答無用で、鈴田を殺ってたな!」
響子「そうね」

大翔「柚」
柚希「ん?やっぱ、軽蔑した?もう…大翔に触れられないかな?私……」
大翔「違うよ!それでも俺は、柚を愛し続ける。
当たり前だろ?
ただ、もっと早く聞きたかった。
そんなに苦しんでた事……もっと早く……!」
柚希「うん、ごめんね!」

中也「柚希」
柚希「中也くん」
中也「辛かったね!もう…大丈夫だよ!」
柚希「え?」
玄「ここにいるみんな、姫が穢れたなんて誰も思ってないよ!」
響子「柚希は、綺麗よ!」
俊哉「純粋で、真っ直ぐで可愛い!」
泰成「永遠に、俺達の姫だよ!」
流風「俺達の癒し!」

全員が、ゆっくり頷く。
柚希「みんな…ありがとう……!」

七美「よし!今から飲み直しだ!
飲むぞー!」
それからはみんな楽しく飲みあかしたのだった。
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