丸重城の人々~後編~
鈴田が柚希の目の前に跪いた。
鈴田「大丈夫。触らないから!
ただ、ほんとに悪かったと思ってるよ?」
柚希「はぁはぁ……」
鈴田「でも…花井だって、誘惑したよね?」
柚希「え……」
鈴田「私、先生のこと憧れてるんです!って!」
柚希「あ…あれは……そんな、意味じゃ…」
鈴田「花井って、高校の時から思ってたけど“妖艶”って言葉がぴったりだよね?
色んな男子を惑わして、そのくせ武部にしか中に踏み込ませない。
だから僕も、我慢できなかった」
だったらどうすればいいと言うのだろう。
義理の父親からの虐待を受けていた柚希。
母親は助けてくれず、不良軍団のみんなや七美しか信じることができなかった学生時代。
信用できるみんなにすがるのは、当たり前のことではないのか?
そして恋人だった俊哉は、特別。
これも当たり前ではないのか?
それこそ、誰彼構わず全て心を許すのは違うのではないのか?
柚希は、小柄な体型と童顔の為よく“可愛い”と言われ、よくモテていた。
でも柚希は、ある程度の距離をもって人と接している。
今現在も中也や玄の好意に完全には甘えず、頼ることはあっても甘えない。
それができるのは、旦那である大翔にだけ。
中学、高校、大学……そうやって生きてきた。
それを全て、否定された気分だった。
柚希は鈴田を睨みつけた。
自分でもびっくりだった。
なぜか怖いと感じなかった。
鈴田「な、何?」
柚希「私は!自分の考えを間違っていると思いません!」
鈴田「は?」
柚希「助けて!!将大さん!助けてーー!!」
鈴田「大丈夫。触らないから!
ただ、ほんとに悪かったと思ってるよ?」
柚希「はぁはぁ……」
鈴田「でも…花井だって、誘惑したよね?」
柚希「え……」
鈴田「私、先生のこと憧れてるんです!って!」
柚希「あ…あれは……そんな、意味じゃ…」
鈴田「花井って、高校の時から思ってたけど“妖艶”って言葉がぴったりだよね?
色んな男子を惑わして、そのくせ武部にしか中に踏み込ませない。
だから僕も、我慢できなかった」
だったらどうすればいいと言うのだろう。
義理の父親からの虐待を受けていた柚希。
母親は助けてくれず、不良軍団のみんなや七美しか信じることができなかった学生時代。
信用できるみんなにすがるのは、当たり前のことではないのか?
そして恋人だった俊哉は、特別。
これも当たり前ではないのか?
それこそ、誰彼構わず全て心を許すのは違うのではないのか?
柚希は、小柄な体型と童顔の為よく“可愛い”と言われ、よくモテていた。
でも柚希は、ある程度の距離をもって人と接している。
今現在も中也や玄の好意に完全には甘えず、頼ることはあっても甘えない。
それができるのは、旦那である大翔にだけ。
中学、高校、大学……そうやって生きてきた。
それを全て、否定された気分だった。
柚希は鈴田を睨みつけた。
自分でもびっくりだった。
なぜか怖いと感じなかった。
鈴田「な、何?」
柚希「私は!自分の考えを間違っていると思いません!」
鈴田「は?」
柚希「助けて!!将大さん!助けてーー!!」