丸重城の人々~後編~
大翔「なんで、俺に連絡しねぇんだよ!?」
丸重城に帰り、大翔に鈴田のことを話す。
柚希「でも、将大さんが助けてくれたよ!」

中也「で?どうしたの!?
おっさん、ちゃんと殺ってくれた?」
将大「は?何も」
中也「はぁぁ?何も!?バカか、おっさん!!
アイツが柚希に何したか知らねぇの!?」
将大「知らねぇよ!!」

中也「アイツは、柚希を━━━━━━」
柚希「もういい!中也くん、もう終わったことだから!」
大翔「ダメだ!」
柚希「え?どうして!?」
大翔「だって、七美があれだけ言ったのにまた現れたじゃん!もう許せねぇよ!」
柚希「大翔…」
大翔「だいたい!ほんとはあの場で、殺してやりたかった。何度殺しても足りない位……俺は許せない」
大翔が拳を握りしめ、震えていた。

将大「柚希ちゃん、教えて?
言ったよね?頼ることは、悪いことじゃない!
甘えることと、頼ることは違う!」
柚希「わかりました。
でも、話を聞くだけ。鈴田先生に暴力はふるわないって約束してください」
将大「わかった」

柚希は鈴田にされたことを全て話した。
自然とそれは、宗一郎と広子の耳にも入る。
ガン━━━━━!!!
あまりの衝撃に、広子がふらつき壁にぶつかった。

宗一郎「広ちゃん!?」
広子「大丈夫よ……」
将大「アイツが……柚希ちゃんに…?」
柚希「私、先生のこと憧れてました。
もちろんそれは、男性としてとかじゃなく先生としてですが……でもそれは先生にとっては、誘ってると思われてたみたいです。だから、私にも否があるわけ━━━━━」
大翔「それは違う!!」
柚希「え?大翔?」
中也「だからって、犯していいって理由にはならない!」
将大「そうだ。それはただの言い訳だ!」

宗一郎「その教師が、柚ちゃんの信頼を利用して自分の欲望をぶつけたにすぎないよ!
男として……いや、人として最低だ!」
< 99 / 228 >

この作品をシェア

pagetop