春なんて来なければいいのに、な。


ジリジリと
距離を詰めてくる夜絃から逃げるように、
私もずりずりと後退りをした。



___カシャン。




乾いた軽い鉄の音が響いて、
背中にはこの容器には合わない冷たさを感じて。




背中には、落下防止の金網。





「逃げ場、なくなっちゃったねぇ?」

「あ、あはははー。」

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