世にも歪な恋物語
「シホ、聞いた? 転校生だって!」
自分の席についた途端、前の席のリオが嵐のように絡んでくる。
「へえ」
「イケメンだったりしてー!」
あれは果たしてイケメンという表現が適してるだろうか。
「いや、かわいい子かもしれねえぞ」
どこから現れたのやら、タクミが会話に入ってくる。
朝からいるの珍しいな。サボり魔よ。
「早起きするもんだな」
「残念でした」
「えっ。男!? シホ、知ってるのぉ?」
「多分。それっぽいの見かけた」
「ちっ」
あたしの一言にリオのテンションが上がり、タクミが舌打ちする。
温度差がすごい。