世にも歪な恋物語


 校門を出て、通学路を進む。

 隣に美少年がいる違和感たるや。


 すれ違うひとがみんな、後輩Aに目を奪われてく。

 目立って仕方ない。


「セーラー服、超似合いますよね。センパイ」

「……そうかな」

「着てみたいです」

「着れば、いいんじゃない」


 君のほうが似合うだろう。


 君が頼めば貸してくれる女の子、クラスにいくらでもいるはず。


「センパイのがいい」


 ……え?

 
「あ。今、オレのことヤバいヤツとか思いましたか」


 顔に出してないのにバレてる。


「心配しなくても。身ぐるみ剥いだりしませんよ」


 み、身ぐるみ……


「センパイの同意なしには」


 許可だしたら剥ぐの?


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