世にも歪な恋物語
君こそ、少食なんじゃないの。
そんな折れそうな手足してさ。
まだ少し大きい制服は、3年後を見越して親に買ってもらったものだろう。
たいていの男の子は中学生で急成長するから。
入学時にピッタリサイズなんて着ちゃうと途中で着られなくなってしまう。
「じゃあね」
マンション前で、後輩Aに別れを告げる。
さよなら。
ちょっと心が洗われた。
最後に話したのが君でよかった。
でも、ごめん。
君にとっては今日が最悪の思い出に変わると思う。
許して。
私のこと、忘れてくれていいから。