世にも歪な恋物語


 …………うん?

「僕の半分あげる」

 あろうことか和葉さんが、自分の消しゴムを、丁寧にカッターナイフでカットして渡してくる。

「わ、悪いよ!?」
「でも。もう、切ってしもたから」

 うう。
 そう言われると、断れない。
 切れたものは戻せないから。
 ありがたく、借りちゃおう。

「……ごめんね」
「気にせんとって」

 ああ、好きだなあ。

 カッコよくて、優しくて、困ったときスマートに助けてくれる和葉さんのことが大好き。

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