世にも歪な恋物語


 オレが彼女に灯った小さな火を守らなくちゃいけない。


 適切に調整しなくちゃいけない。


 大きすぎても、消えてもいけないんだ。


 だから、声をかけた。


 いなくなって欲しくないから。


 消えちゃダメ、琴センパイ。


 オレ、ホントに、なんでもできます。

 琴センパイのためなら。


 それがオレのためでもあるので。
 

「さっき"センパイの家に着くまでの時間をください"ってお願いしましたよね」


 つまり、まだ、到着してません。

 だから今もセンパイの時間はオレのものなんです。


「寄り道しましょう」


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