世にも歪な恋物語
「べつに断ったつもりない」
「……え?」
「俺なりに向き合った結果。ああなった」
ほえ?
「フッたんじゃ……」
「逃げられたと思ってる」
ちょっとよくわかんないです、先輩。
「向き合ってなくないですか。愛せないとか。無駄だと思う、なんて。さすがに傷つきます。始める前から全否定って感じで」
「やっぱり覗き見してたんだ?」
「ぐ、偶然です! 見えてしまったんです!」
「君に意見が欲しい」
……意見?
「放課後。時間ある?」
「え、放課後は。……部活がありまして」
「へえ。何部?」
「美術部、です」
「それじゃあ美術室か」
「……はい」
「わかった」
なにが、わかったの?