世にも歪な恋物語
「……結局。先輩がわたしに聞きたいことってなんだったんだろう」
先輩は、氷のように冷たく、もはや観賞用がちょうどいいと言われているみたい。
それでも近づけるのは、勇気のある女の子だけなんだって。
「冷たくは。……なかったけど」
ゴミを、捨ててくれた。
交換条件とはいえ絵のモデルになってくれた。
動かないでとお願いしたら、じっと同じポーズでいてくれた。
結局先輩の話を聞けずにわたしばかり話したけど、聞いてくれたし。
「先輩なりに向き合ったって……どういうことだろう」
次に会えたら、今度こそ、先輩の話を聞かなきゃ。