世にも歪な恋物語


 どこが、冷たいの?

 怖そうに見えたのは最初だけ。


 いまは――


「いいかな。さっそく」

「あ、はい」

「食事。とりながら聞いてくれていいよ」

「はい」

「俺。わからないんだ」


 ……わから、ない?


「恋だの愛だの。生まれて一度も経験したことがなくて」


 ――――!


「だから。自分を好きになってくれる人と、何度か付き合ってみたんだけど。相手との気持ちに温度差がありすぎて。結果、いつも彼女を傷つけてしまった」

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