世にも歪な恋物語


「義務?」

「したくなるまで、しなくていいんです。そういうのって。ぶっちゃけ衝動みたいなものですし」

「……衝動」

「恋に落ちるつもりなくても。たとえ、するなと言われても、恋せざるを得なくなるような日が。来るかもですよ」

「来ない」


 秒で否定された。


「気長に待ちましょうよ。これから、どんどん出逢いも増えていくわけですし」


 高校でも大学でも、社会でもモテモテでしょうね。


「……なんて。ほんと。偉そうに言える立場じゃないですけど」

「君は。好きな男、いるの」

「え?」

「今じゃなくても。いた?」

< 85 / 107 >

この作品をシェア

pagetop