世にも歪な恋物語


 わたし、いま、耳まで赤くなっていそうだな。

 恥ずかしい~!!!


「も、もういいですよね?」


 参考になったのかな。

 こんな恋もあるっていう、ひとつの例として。


「こんな話。誰かにしたの、初めてです」


 半分も食べていなかったお弁当を、急いで口に運ぶ。

 いまごろ、彼も、昼食をとっているだろうか。


 なんて考えていると、携帯にメッセージが届いた。


「……あ」


 彼からだ。


 考えた途端に連絡が来るなんて、すごい。


「なにこれ。ふふ」

「どうかしたの」

「なんか。文化祭でやる劇の衣装らしいんですけど。その写真が、カボチャパンツで」

「それのなにがおもしろいの」

「えっ。おもしろくないです? カボチャパンツ」


 絵本に出てくる王子さまみたいで。


「まあ。……彼ならそういうのも、似合っちゃいそうだなって。思いますけど」

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