世にも歪な恋物語


「いらない」


 えええっ。おもしろいのに。


「わたし、見つけてみます。先輩がハマれそうなヤツ」

「いらない」

「そんなこと、言わずに! わたしのバイブルです!」

「……衝動、か」

「へ?」

「たしかに。不明瞭で。予測不可能なものだな」

「どうか、しましたか」


 お綺麗な顔にじっと見つめられると、緊張するのですが。


 ていうか、ごはん、食べないんですか。


 わたし、食べ終わっちゃいましたよ。


「君の口から他の男の話が出た瞬間」

「……せん、ぱい?」

「その口ふさいでやりたくなった」

< 94 / 107 >

この作品をシェア

pagetop