再会は涙色  ~元カレとの想い溢れる一夜からはじまる物語~
『最後の衣装チェンジの時。麻衣の表情がおかしかったから、気になってた。』
「あれは泣いちゃいそうだったからだよ。ステージに理久を送り出すのがうれしくて。理久がまぶしくて。」
『なんだよ。照れるじゃん。』
「・・・ねぇ、理久。」
『ん?』
麻衣はクッションをギュッと抱きしめるようにして話を続ける。

「私は歌ってる理久が好き。ライトを浴びている理久が好き。」
『うん。』
「だからね」
『うん。』
どこまでも優しい理久の声に、麻衣は泣きそうになる。
でも、今はダメだ。

「だからね、もしも」
『うん。』
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