再会は涙色  ~元カレとの想い溢れる一夜からはじまる物語~
『もう離れたくない。』
何度も言ってくれる言葉にすがりそうになる。
『俺の決断は麻衣のためのものじゃなく、俺自身のためのものだ。』
理久の声を聞くたびに、理久の言葉を聞くたび、心が揺れる。

「私のために、今度は待ってほしい。」
こういえば理久がもう何も言えないことなど簡単にわかる。

『・・・本当にそれでいいのか?』
「理久」
『ん?』
「理久が好き。大好き」
『麻衣・・・』
「だから、理久がライトを浴びているのを見ると嬉しい。自分の事みたいに、本当にうれしいんだよ?」
これは本心だ。
< 106 / 275 >

この作品をシェア

pagetop