再会は涙色 ～元カレとの想い溢れる一夜からはじまる物語～

「俺、少し買い物行ってくる。」
「どこ？」
「あー、手芸店だな。」
「了解。」
「30分で戻る。なんか買ってくるのあるか？」
「ないよ、ありがとう。」
打ち合わせを終えた稜真が、作業用の材料に足りないものを見つけて買い物へ向かうことを麻衣に伝える。

「すぐ戻るから、無理すんなよ？荷物届いてもその場から絶対に動かすな？もし動かしてたらげんこつだぞ？」
「ふふっ怖い怖い。大丈夫。やらない。」
「よし」
上着を羽織り財布を持って、麻衣の頭にポンと手をあててから稜真は部屋から出た。

すぐに戻って作業をしないとならない。
手芸店までは歩いて5分の距離だ。
必要なものだけを買えばすぐに戻れる。