再会は涙色  ~元カレとの想い溢れる一夜からはじまる物語~
麻衣の母親に連絡をした稜真。
早くても到着は翌日の午後だろう・・・。


病室に響く機械の音。
麻衣の呼吸の状態や心拍数を確認している音が稜真の中に響く。

この音が止まったらと恐怖に震えが止まらない。

「麻衣・・・」
ベッドの横に用意された椅子に座り、麻衣の頬を撫でる稜真。
その頬の冷たさに余計に恐怖が襲う。

「麻衣・・・会いたいか・・・?あの人に・・・会いたいか・・・?」

稜真は何も返事を返さない麻衣を見つめてから病室から出て、自分の携帯電話を出した。

唇をかみしめて、深呼吸をしてから携帯電話を耳にあてた。
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