再会は涙色 ～元カレとの想い溢れる一夜からはじまる物語～

わがまま

「麻衣っ！」
乱暴に開いた病室の扉。

そこから飛び込んできたのは理久だ。

稜真からの連絡で慌てて病院に来た。

扉を開けて、病室の中央に置かれたベッドに駆け寄る。

「麻衣・・・」
理久は何の躊躇もせずに、横になっている麻衣を抱きしめるように、包み込む。
「どうして・・・どうしてだよ・・・」
苦しそうに顔をゆがめながら、涙を流す理久。

2人を病室の入り口から見つめていた稜真は、自分には入る隙など一ミリもないと実感した。