再会は涙色  ~元カレとの想い溢れる一夜からはじまる物語~
「麻衣が母親になるかもしれないなんて、実感はわかないけど。」
「・・・」
「でも、きっとこの子、うれしかったんでしょうね。」
理久は手に渡されたものを見る。

それは、母子手帳だった。

かわいらしい麻衣の好きそうなデザインのケースに大切に入れられている母子手帳。
そこには小さなアルバムが一緒に入っていた。

「これ・・・」
「赤ちゃんができると、産婦人科で超音波写真がもらえるのよ。それをアルバムにしたのね。私、これから荷造りしてくるからゆっくり読んで。」
そう言って麻衣の母が病室を出てから、理久は椅子に座りアルバムを広げた。

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