再会は涙色  ~元カレとの想い溢れる一夜からはじまる物語~
夜になり、理久は麻衣の手を握りながら目を閉じてうとうととしていた。

その時かすかに麻衣の手が動いたように感じた。

目を開けて麻衣の顔に自分の顔を近付ける。

「麻衣!麻衣っ!」
名前を呼びながら声が震える。

「麻衣!」
「・・・り・・・」
「俺だよ、ここにいるよ。」
ひどくかすれた声の麻衣。

何度も何度も瞬きをしながら、うつろな視線を理久の方に向けようとしている。

「麻衣!麻衣!」
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