再会は涙色 ～元カレとの想い溢れる一夜からはじまる物語～

「俺も一緒に守る。俺たちの子。守ろうな。」
理久の言葉に麻衣の瞳の端から涙が流れる。

「だから今は検査をして調べてもらおう。俺はここにいるから。」
その言葉にかすかに頷いた麻衣は検査室の中に運ばれて行った。


理久はすぐに麻衣の母と稜真に連絡をする。

麻衣の検査が終わるときには麻衣の母も稜真も、病院に駆けつけていた。

「意識が戻ったので、もう大丈夫でしょう。意識のなかった間に足の裂傷の抜糸も終了しましたし、脳内の出血もとまり、血腫も見られていません。あとは体力を回復させていくことを考えましょう。野川さんが気になっている赤ちゃんの経過も、確認しましょう。」
検査室から戻った麻衣は酸素マスクから鼻から酸素を送るチューブに切り替わっていた。

体につながれていた機械も外されて、点滴だけになっている。