再会は涙色 ～元カレとの想い溢れる一夜からはじまる物語～

「一度きりの人生、後悔したくない。」
「うん」
昔から理久が言っている言葉だ。
理久は自分を見つめる麻衣の頬を撫でる。
「赤ちゃんのエコー見ている時も思ったんだ。俺の知らないことがまだまだあるなって。」
「うん」
「俺は世界一かっこよくて、強くて、優しい父親になる。」
「・・・うん」
「何があっても全力でこの子も、麻衣も守る。」
理久は麻衣の頬から、お腹に手を移す。

「麻衣」
「ん？」
「退院したら、籍入れよう。」
「え？」
「結婚して、一緒に暮らそう。結婚式はこの子が生まれてから、この子と一緒にあげたいって思ってる。」
「・・・」
麻衣が目を覚ましてから、理久はこうして何度もプロポーズをしている。