再会は涙色  ~元カレとの想い溢れる一夜からはじまる物語~
理久はまっすぐ麻衣を見つめたまま話をしてくれている。
優しくて穏やかなその視線に、麻衣は泣きそうなくらい温かな気持ちになる。

何を言っても理久はちゃんと言葉を受け止めてくれるだろう。
不器用な言葉でも理久にはちゃんと本心が届くのだろ。

「でもね、理久が大好きだからこそ、5年前離れたのは寂しかった。悲しかった。もう二度と会えないだろうって思うと、考えたくなくてもいつも理久を考えて、その度に心がずきずき痛かった。」
「ごめん・・・」
辛そうな顔になる理久。

麻衣の気持ちを分かったつもりだった。
でも、はじめて麻衣の口から言葉にして伝えられた気持ちに、胸を鷲掴みにされる。

「どんどん遠く感じて・・・置いて行かれたような気持ちになった。いっそ恨めたら楽になるのに、全然できなくて、どんどん好きになって・・・苦しかった。」
「ごめんな・・・」
麻衣の髪を撫でる理久の表情が、麻衣の心の痛みを感じているかのようにゆがむ。
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