再会は涙色 ～元カレとの想い溢れる一夜からはじまる物語～

「これからのことで話したいことがある。」
医師の診察が終わってから理久が麻衣に切り出した。

麻衣は病室のベッドの上で、体を起こして理久の話を真剣に聞こうとしている。

「マスコミに発表しようと思う。麻衣と俺の事。」
「うん」
「なるべく俺の言葉で、声で事実を伝えたい。だから今回は生中継でＳＮＳも使いながら発表しようと思うんだ。」
「うん」
「麻衣のことはなるべく言わないようにするけど、きっとすぐにばれる。もしかしたらお母さんや、会社の人、加藤さんにも迷惑が掛かるかもしれない。」
「うん」
理久はあらゆることを想定して、ベストな方法を探った。
こればかりはやってみないとわからないことが多い。

「麻衣はしばらくマスコミに追われることになる。俺と一緒に。」