再会は涙色  ~元カレとの想い溢れる一夜からはじまる物語~
「うん」
「退院してもしばらくは俺のマンションに来てくれればセキュリティも万全だから大丈夫だとは思うけど、もしも体力も回復して仕事に復帰するってなった時、今までのようにはいかないこともあると思うんだ。」
「・・・うん」
「ごめんな」
理久のせいじゃないのに、理久が辛そうに麻衣に告げる。

理久と一緒にいるということはそう言うことだと覚悟を決めているものの、まだ想像もできない近い未来に麻衣も緊張していた。

「危ないことだけはないように、麻衣にはボディーガードと運転手をつけようと思う。心無いファンがいるかもしれないし、世間から注目されるってことはそれだけのリスクが伴うってことなんだ。不自由な想いさせるかもしれないけど、麻衣にもお腹の子にも安全を確保したい。」
「わかった」
「会見は2日後にする。麻衣が退院する前に、世間が俺の動きに気づく前に、話をしたい。」
今はまだ、理久と麻衣のことは誰にも知られていない。
でも、毎日のように病院に来ている理久。
世間に知られるのも時間の問題だった。
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