再会は涙色 ～元カレとの想い溢れる一夜からはじまる物語～

謝罪の言葉の代わりに気持ちを伝える理久。

もう一度麻衣の体を自分の胸に閉じ込めるようにして、麻衣の頭を撫でる。

「明日から忙しくなるから、今夜はもう眠ろう。」
「・・・」
妊娠しているからか、リハビリを頑張っているからか、麻衣はすぐに眠りに落ちる。

理久が抱きしめて、髪を撫でて、麻衣の好きな歌を鼻歌で口ずさむ間に、麻衣は眠りに落ちた。


すやすやと寝ている麻衣。
その寝顔を見ていると本当に新しい命が宿り、母親になるのだろうかと信じられない気持ちになる。

母親になる麻衣も、父親になる自分も、どうにも想像がつかない。

思わずふっと笑った理久は、麻衣に気づかれないようにそっと携帯電話を出して、画面を開く。