再会は涙色  ~元カレとの想い溢れる一夜からはじまる物語~
医師と看護師から告げられてから少しして麻衣の携帯電話が鳴った。

「はい・・・」
『平気か?』
「・・・うん」
電話の相手は稜真だった。
『瀬波さんから連絡が来た。病院、退院することになったんだって?』
「うん。・・・そっちは・・・会社は大丈夫?」
すでに麻衣のことをかなり詳しく知っているマスコミのことだ。
きっと会社にも迷惑をかけているだろうと麻衣は察しがついている。

『こっちは大丈夫だ。気にすんな。むしろ、会社の名前が売れるって社長も前向きなこと言ってる。』
麻衣の心を慰めようと明るく話す稜真。
きっと稜真にもたくさん迷惑が掛かってるはずだ。
『お前、今自分のせいで迷惑かけてるとか、悲観的なこと考えてんだろ。やめろよ?それ。悪い癖だぞ?』
稜真には言葉にしなくてもなんでもお見通しだ。
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