再会は涙色  ~元カレとの想い溢れる一夜からはじまる物語~
『2時間後に病院に行く。瀬波さんの会見が始まる時がちょうどマスコミもピークで騒ぐだろうから、その前に病院を出たいんだ。』
「でも・・・」
『大丈夫。瀬波さんの考えは鉄壁の守りに近い。とりあえず、お前は変なことは考えずに病室で支度して待ってろ。』
動揺していた心が稜真の声を聞いて少し落ち着いたような気がした麻衣。
「ありがとう」
稜真にお礼を言ってから電話を切り、さっそくメールを確認する。

たくさんのメールの中から稜真が送ってくれたメールだけを開く。
そこには今まで麻衣が担当してきた企業からのメールやヘアメイクを担当して関わってきたたくさんの人からの心配の声が載っていた。

麻衣は携帯電話を抱きしめてから、深呼吸をして身支度を始めた。
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