再会は涙色 ～元カレとの想い溢れる一夜からはじまる物語～

誰よりもお腹の子のために強くいなければと思いながらギュッと両手を握る麻衣だった。

「大丈夫。今だけだ、こうして騒がれるのは。」
「・・・うん」

麻衣は無事に理久のマンションに着くことができた。
マンションでも介護タクシーがマスコミ関係者に油断をさせたのだろう。

地下の駐車場で降りた麻衣と稜真は、最上階直通のエレベーターに乗り、あっという間に理久の部屋に着いた。

部屋の前にはすでに医師と看護師が待機していて、稜真があらかじめ聞いていた部屋の暗証番号を入力すると部屋の扉が開いた。