再会は涙色  ~元カレとの想い溢れる一夜からはじまる物語~
「麻衣っ!」
乱暴にカフェの机にお金を置いて、立ち去ろうとする麻衣。
すぐに立ち上がり、会計を済ませてから麻衣を追う。

小走りに近いスピードで歩いていた麻衣に、俺はすぐに追いつく。

「麻衣っ!」
近い距離からその名前を呼ぶと、彼女は少し肩のあたりをぴくんとこわばらせて足をとめた。

動きをとめても俺の方を見ない麻衣。

「頑張ってね」
ひどく震える彼女の声に今すぐに彼女を抱きしめたい衝動にかられる。

俺に気づかれないように、きっと彼女は今涙を流していると、わかっている。
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